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私はグレです。グレの中でも口太グレと呼ばれています。兄弟に尾長グレとかもいます。冬場になったら特に脂がのって、大変美味しいと、人間様が、勝手な解釈をしいてます。又、釣りでの、引きあじが、また格別だとかおっしゃられても．．．私どもは、ただ、死にものぐるいで、しもり磯へ、逃げ込もうと必死で泳いでるだけなのに．．．先ほど迄、鳴門海峡を我が物顔で泳いでいたのに、みっちゃんとやら呼ばれとる釣りキチに釣り上げられまして、今は、白い内壁の人間様がクーラーとか呼んでいる、私たちにとっての棺桶に納まっています。．．．．中でも一番型の良い私は、丁寧に延髄と尾びれの側線の部分を絞められましたので、今は、死後硬直の真っ最中です。この状態を、人間様は、身が引き締まって、こりこりして、甘くて美味しいとか、何とか言いなはる。多分今晩、刺身にされて、大根のケンの敷き布団に青じその、掛け布団、そんでまた、わさびの枕に寝かされるでしょう。そこまでするなら、ついでに枕を北に変えんかい！．．．又、後のコッパの連中は、鍋の具か、三枚におろされて、全身に黒豆味噌をもぶりつけられ、冷蔵庫で２日くらい寝かされて、火葬される事でしょう−−−−とにかく、一言もうっしゃげます。．．．．『魚にとっても一つしかない命、残さず全部美味しく頂いてつかはれや！言いたいことは、山ほどッッ．．．．それだけ．．．．です。』
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グレのつぶやき
